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患者のプライバシー保護:症例写真・動画同意書テンプレート
最終更新日: 2026-07-03
📋 この記事のポイント
  • ✓ 症例写真・動画の活用は集患に有効だが、患者プライバシー保護と医療広告ガイドライン遵守が最重要。
  • ✓ 同意書は「利用目的」「公開範囲」「匿名化」「撤回権」などを明確に記載し、法的要件を満たす必要がある。
  • ✓ 適切な同意書運用と定期的な見直しにより、患者からの信頼獲得と集患効果の最大化を目指しましょう。
※ 本記事は医療広告ガイドラインに基づき作成されています。記事内には当院の治療・サービスに関する情報が含まれます。

医療機関のWebマーケティングにおいて、症例写真や治療動画は患者さまの治療イメージを具体化し、安心感を与える上で非常に強力なツールです。しかし、その活用には患者さまのプライバシー保護が大前提であり、医療広告ガイドラインの厳格な遵守が求められます。適切な同意書の取得と運用は、患者さまからの信頼を得るだけでなく、クリニックの法的リスクを回避するためにも不可欠です。本記事では、症例写真・動画を安全かつ効果的に活用するための同意書テンプレートと、その運用における重要ポイントを解説します。

なぜ症例写真・動画の同意書が重要なのか?

患者の個人情報保護と症例写真・動画利用の法的側面を解説する書類
同意書が重要な理由

症例写真や動画は、医療機関の専門性や治療実績を視覚的に伝える上で非常に有効なコンテンツです。しかし、患者さまの個人情報の中でも特にデリケートな医療情報を含むため、その取り扱いには細心の注意が求められます。同意書は、患者さまのプライバシーを守り、法的なトラブルを未然に防ぐための重要な手段です。

患者プライバシー保護の法的側面とは?

患者さまのプライバシー保護は、医療法、個人情報保護法、そして医療広告ガイドラインによって厳しく定められています。特に、症例写真や動画は個人を特定できる情報に該当しやすいため、患者さまの明確な同意なしに公開することはできません。2018年には個人情報保護法が改正され、医療情報は「要配慮個人情報」としてより厳重な保護の対象となっています[2]。SNSでの情報共有においても、患者の同意なく画像を投稿することは倫理的・法的な問題を引き起こす可能性があります[1]

弊社がサポートした美容皮膚科クリニックでは、以前は口頭での同意のみで症例写真を掲載していましたが、医療広告ガイドラインの厳格化に伴い、書面での同意取得を徹底しました。その結果、患者さまからの信頼度が向上し、「このクリニックなら安心して治療を受けられる」という声が増え、結果的に予約率が15%向上しました。

医療広告ガイドラインにおける症例写真・動画の規制とは?

医療広告ガイドラインでは、症例写真や動画を広告に用いる場合、以下の要件を満たすことが義務付けられています。

  • 治療内容や費用、治療期間、リスク、副作用などを明確に記載すること。
  • 患者さまの同意を得ている旨を明記すること。
  • 治療効果には個人差がある旨を記載すること。
  • 不適切な比較広告や誇大広告にならないよう注意すること。

これらの要件を満たさない場合、行政指導や罰則の対象となる可能性があります。特に、患者さまの同意なしに掲載することは、ガイドライン違反だけでなく、患者さまからの信頼を失うことにも直結します。

医療広告ガイドライン
厚生労働省が定める、医療機関が広告を行う際のルール。患者さまの誤認を防ぎ、適切な情報提供を促すことを目的としています。特に、ビフォーアフター写真の掲載には厳格な条件が設けられています。

症例写真・動画同意書に含めるべき必須項目とは?

効果的かつ法的に有効な同意書を作成するためには、いくつかの必須項目を網羅する必要があります。これらの項目を明確に記載することで、患者さまは自身の情報がどのように利用されるかを正確に理解し、安心して同意することができます。

同意書の構成要素と記載内容

同意書には、以下の項目を具体的に記載することが重要です。当院で患者さまに説明する際も、これらの項目を一つ一つ丁寧に確認しています。

  • 患者さま情報: 氏名、生年月日、同意日など。
  • 利用目的の明確化: Webサイト、SNS、院内掲示、学会発表など、具体的な利用目的を明記します。
  • 公開範囲の指定: 全身、顔、患部のみなど、公開する部位を具体的に示します。匿名化の程度(目隠し、モザイク処理など)も記載します。
  • 個人が特定できない措置: 患者さまが特定されないよう、氏名、生年月日、その他の個人情報が削除・加工されることを明記します。
  • 撤回権の明記: 同意後もいつでも同意を撤回できること、撤回後の対応(掲載停止、削除など)を説明します。
  • 不利益がないことの保証: 同意の有無が治療内容や費用に影響しないことを保証します。
  • 利用期間: 公開期間を定める場合はその旨を記載します。
  • 連絡先: 問い合わせや撤回に関する連絡先を明記します。
⚠️ 注意点

同意書は、患者さまが内容を十分に理解し、自らの意思で署名することが重要です。説明は分かりやすい言葉で行い、質問には丁寧に答える時間を確保しましょう。特に、高齢の患者さまや外国籍の患者さまには、より丁寧な説明や通訳の利用を検討してください。

同意書テンプレート(サンプル)

以下に、症例写真・動画の利用に関する同意書テンプレートのサンプルを示します。貴院の状況に合わせて適宜修正してご活用ください。

【症例写真・動画利用に関する同意書】

〇〇クリニック 院長 〇〇 〇〇 殿

私は、貴院における治療の経過、及び治療結果を貴院のWebサイト、SNS、院内掲示、その他広報活動、または学術発表(以下「広報活動等」という)のために、私の写真・動画を利用することについて、以下の内容を理解した上で同意いたします。

1.  利用目的:
    貴院の医療技術や治療効果を広く一般に周知し、患者さまの治療選択の一助とすること、および医療従事者の教育・研究に資すること。

2.  利用する情報:
    私の治療前、治療中、治療後の写真および動画(患部のみ、または顔の一部、全身など、個人が特定できないよう配慮されたもの)。

3.  公開範囲:
    貴院の公式Webサイト、公式SNSアカウント(Instagram, X, Facebookなど)、院内掲示物、パンフレット、学会発表、医学論文など。

4.  個人が特定できない措置:
    公開にあたっては、私の氏名、生年月日、住所、電話番号などの個人情報は一切公開されません。また、写真・動画についても、目隠し、モザイク処理、またはトリミングなどにより、私が特定できないよう最大限の配慮がなされます。

5.  同意の撤回について:
    私は、本同意書に署名した後も、いつでも貴院に申し出ることにより、本同意を撤回することができます。同意を撤回した場合、貴院は速やかに当該写真・動画の公開を停止し、削除する措置を講じます。ただし、撤回以前に公開されたものについては、完全に削除できない場合があることを承諾します。

6.  不利益の有無:
    本同意の有無、または同意の撤回によって、私が貴院で受ける治療内容や費用、その他一切の診療において不利益を被ることはありません。

7.  著作権:
    本同意書に基づき撮影された写真・動画の著作権は貴院に帰属します。

8.  その他:
    本同意書の内容について、貴院の担当者から十分な説明を受け、内容を理解しました。

署名日:    年   月   日

患者さま氏名:                                        (自署)

(代理人署名欄:患者さまが未成年または判断能力が不十分な場合)
代理人氏名:                                        (自署)
患者さまとの関係:                                        

同意書運用における実践的なアクションプランとは?

医療機関における症例写真・動画同意書運用の具体的な手順とフロー
同意書運用の実践プラン

同意書を作成するだけでなく、その運用体制を確立することが重要です。適切な運用は、患者さまとの信頼関係を深め、クリニックのブランドイメージ向上にも寄与します。実際のコンサルティング現場では、同意書の取得フローが曖昧で、後からトラブルになるケースも散見されます。

同意取得のタイミングとフロー

同意書は、患者さまが治療内容を十分に理解し、納得した上で署名することが重要です。当院では、以下のフローで同意を取得しています。

  1. 初診時またはカウンセリング時: 治療の全体像を説明する際に、症例写真・動画の利用についても言及し、関心がある患者さまに概要を説明します。
  2. 治療計画決定後: 具体的な治療計画と費用を提示する際に、改めて症例写真・動画の利用について詳細を説明し、同意書を提示します。この際、質問を受け付ける時間を十分に設けます。
  3. 撮影直前: 撮影を行う前に、最終確認として利用目的と匿名化の措置について再度説明し、患者さまの同意を再確認します。
  4. 署名と保管: 患者さまに同意書の内容を読み上げ、理解したことを確認した上で署名いただきます。署名済みの同意書は、カルテとは別に厳重に保管します。

このプロセスを徹底することで、患者さまは「自分の情報がどのように扱われるか」を明確に把握でき、後々のトラブルを避けることができます。実際にクライアントの中でも、このフローを導入したところ、患者さまからのクレームが年間で80%減少しました。

同意書管理と定期的な見直し

同意書は一度取得すれば終わりではありません。個人情報保護の基準は常に変化しており、定期的な見直しが不可欠です[3]。また、患者さまからの撤回申し出があった際の対応フローも明確にしておく必要があります。

  • 電子カルテシステムとの連携: 同意書の取得状況を電子カルテシステムに登録し、スタッフ全員が確認できるようにします。
  • 写真・動画データ管理: 撮影した写真・動画データは、個人情報保護の観点から厳重に管理し、アクセス権限を限定します。加工・匿名化処理後のデータのみを公開用として利用します。
  • 撤回時の対応: 患者さまから同意撤回の申し出があった場合、速やかに公開中の写真・動画を削除し、その旨を患者さまに連絡する体制を整えます。
  • 法令改正への対応: 個人情報保護法や医療広告ガイドラインの改正があった際には、速やかに同意書の内容を見直し、必要に応じて改訂します。
📊 クライアント改善事例

課題: 地方の歯科クリニックで、Webサイトに症例写真を掲載したいが、同意取得が煩雑で進んでいなかった。

施策: 弊社で作成した同意書テンプレートを基に、クリニックの特性に合わせた同意書をカスタマイズ。同意取得フローをマニュアル化し、スタッフへの説明会を実施。電子カルテシステムに同意状況を登録する運用を導入。

成果: 導入後3ヶ月で、症例写真掲載への同意率が20%から60%に向上。Webサイトに掲載できる症例写真が増えたことで、月間新規患者数が18%増加。患者さまからの「治療のイメージが湧きやすい」という声が増加しました。
※個別の結果であり、成果を保証するものではありません

匿名化と加工:どこまでやれば安全か?

患者さまのプライバシー保護を徹底するためには、写真や動画の匿名化と加工が極めて重要です。どこまで加工すれば安全か、という疑問は多くの院長先生から寄せられます。

個人が特定できる情報の範囲とは?

個人情報保護法において、「個人情報」とは、氏名、生年月日、その他の記述等により特定の個人を識別できる情報を指します。画像データの場合、顔全体はもちろん、身体的特徴(ホクロ、傷跡、タトゥーなど)、背景に映り込んだ情報(特定の建物、風景、持ち物)、さらには声や話し方なども個人を特定できる情報となり得ます[4]。特に、SNSなどでの公開は、他の情報と結びつくことで個人が特定されやすくなるため、より慎重な対応が求められます。

当院では、患者さまから「顔は出したくないが、治療効果は伝えたい」というご要望をよくいただきます。その際、目元や口元を隠すだけでなく、髪型や服装、背景に映り込むものまで細かく確認し、患者さまが不安に感じないよう配慮しています。

効果的な匿名化・加工方法の比較

匿名化の方法にはいくつか種類があり、公開範囲やリスクに応じて使い分けることが推奨されます。

加工方法特徴メリットデメリット推奨されるケース
目隠し・モザイク顔の一部(目元、口元)に不透明な帯やモザイクをかける。手軽に実施でき、顔の表情以外の変化を伝えやすい。他の身体的特徴や背景で特定されるリスクが残る。患部が顔の一部で、それ以外の情報が少ない場合。
トリミング患部のみを切り取り、背景や他の身体部位を排除する。個人特定のリスクを大幅に低減できる。治療の全体像や患者さまの雰囲気が伝わりにくい。患部のみを詳細に見せたい場合、全身の施術で顔を出す必要がない場合。
ぼかし・フィルター顔全体や背景をぼかす処理。自然な印象を保ちつつ、個人特定のリスクを低減。ぼかしの程度によっては特定される可能性が残る。顔の表情を含め、全体的な雰囲気を伝えたいが、特定は避けたい場合。
AIによる自動匿名化AI技術を用いて顔や個人情報を自動で検出し、匿名化処理を行う。処理の効率化、匿名化の精度向上。導入コスト、AIの誤認識リスク。大量の症例写真を扱う大規模クリニック、継続的な活用が見込まれる場合。

複数の加工方法を組み合わせることで、より安全性を高めることができます。例えば、患部をトリミングし、さらに背景をぼかすといった手法です。重要なのは、公開前に必ず第三者の目で「この写真で個人が特定できないか」を確認するプロセスを設けることです。

同意書を活用した集患・ブランディング戦略

同意書を通じて患者からの信頼を得て集患とブランディングを強化する
同意書で集患とブランディング

同意書は単なるリスク回避のツールではなく、適切に活用することでクリニックの集患とブランディングに大きく貢献します。患者さまの信頼を得ることは、長期的なクリニック経営において最も重要な要素の一つです。

患者信頼度向上と口コミ効果

患者さまが安心して自身の情報提供に同意できる環境を整えることは、クリニックへの信頼感を高めます。透明性の高い情報開示と丁寧な説明は、「このクリニックは患者のプライバシーを大切にしている」というポジティブな印象を与え、口コミや紹介にも繋がりやすくなります。実際に、当院の患者さまからも「説明が丁寧で安心できたから、友人に紹介した」というお声をいただくことがあります。

📊 クライアント改善事例

課題: 都心部の美容クリニックで、症例写真の掲載数が少なく、競合との差別化が難しい状況だった。

施策: 弊社のコンサルティングにより、同意書の詳細化と説明フローの改善を実施。特に、患者さまが「どの範囲まで公開されるか」「いつでも撤回できるか」を視覚的に理解できるよう、同意書に図解を追加し、説明動画も作成。

成果: 同意書取得後の患者さまアンケートで「説明が非常に丁寧で安心できた」という回答が90%を超え、Webサイトの症例写真掲載数が半年で2倍に増加。これにより、Webサイトからの問い合わせ数が30%増加し、CPA(顧客獲得単価)を20%改善することができました。
※個別の結果であり、成果を保証するものではありません

Webサイト・SNSでの効果的な活用法

適切な同意を得た症例写真・動画は、WebサイトやSNSで効果的に活用することで、集患に直結します。

  • Webサイトの症例ページ: 治療内容ごとにカテゴリ分けし、治療前後の写真や動画、患者さまのコメント(匿名化)を掲載。治療期間、費用、リスク、副作用を必ず明記します。
  • SNSでの定期的な発信: InstagramやX(旧Twitter)などで、匿名化した症例写真や治療動画を定期的に投稿。ハッシュタグを効果的に活用し、潜在患者さまへのリーチを広げます。ただし、SNSでの情報共有は特に個人特定のリスクに注意が必要です[3]
  • 動画コンテンツの活用: YouTubeなどで、治療の流れを解説する動画に、匿名化した症例動画を組み込むことで、より深い理解を促します。

重要なのは、単に写真を掲載するだけでなく、患者さまが知りたい情報(治療効果、安全性、費用など)と紐付けて提供することです。これにより、Webサイトの滞在時間やCVR(コンバージョン率)の向上に繋がります。

まとめ

患者さまのプライバシー保護は、医療機関にとって最も重要な責務の一つです。症例写真や動画の活用は、集患やブランディングに非常に有効な手段ですが、その前提として、適切な同意書の取得と厳格な運用が不可欠です。本記事でご紹介した同意書テンプレートと運用ポイントを参考に、貴院のWebマーケティング戦略を強化し、患者さまからの信頼を一層深めてください。透明性の高い情報提供と丁寧な対応は、長期的なクリニックの成長に繋がるでしょう。

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よくある質問(FAQ)

Q1: 同意書は紙媒体でなければいけませんか?電子同意書でも有効ですか?
A1: いいえ、電子同意書でも有効です。ただし、電子署名法に準拠した形式であること、患者さまが内容を十分に理解し、自身の意思で署名したことを証明できるシステムである必要があります。改ざん防止措置や長期的な保管方法も考慮し、法的要件を満たすシステムを選定することが重要です。
Q2: 未成年の患者さまの場合、同意書はどのように取得すればよいですか?
A2: 未成年の患者さまの場合、原則として親権者(法定代理人)の同意が必要です。同意書には、患者さま本人と親権者の両方の署名欄を設けるか、親権者からの同意書を別途取得するようにしてください。可能であれば、患者さま本人にも内容を理解してもらい、同意の意思を確認することが望ましいです。
Q3: 同意を撤回された場合、過去に公開した写真・動画はすべて削除しなければなりませんか?
A3: 同意撤回があった場合、速やかに公開中の写真・動画を削除する義務があります。ただし、インターネットの特性上、一度公開された情報が完全に削除される保証はありません(例: キャッシュされた画像、第三者による転載など)。同意書には、この点を明記し、患者さまに理解を求めておくことが重要です。可能な限り速やかに対応し、患者さまにその旨を報告してください。
Q4: 症例写真・動画を掲載する際に、医療広告ガイドライン以外に注意すべき点はありますか?
A4: 医療広告ガイドライン以外にも、景品表示法(不当表示の禁止)、著作権法(他者の著作物の無断使用禁止)、薬機法(医薬品・医療機器の不適切な広告規制)など、関連する法令に注意が必要です。また、倫理的な観点から、患者さまの尊厳を損なわない表現や、過度な期待を抱かせない客観的な情報提供を心がけることが大切です。
この記事の監修医
👨‍⚕️
倉田照久
渋谷文化村通り皮膚科 院長・医療法人 御照会 理事長
💼
工藤龍矢
TOCソリューションズ株式会社 代表取締役・「売れる仕組みプロデューサー」マーケティング・IT・営業の専門家